小説同人誌、何文字あれば本になる?
前回に引き続き今回も文字書きさん向けの内容でお送りします。
今回のテーマは「小説同人誌に必要な文字数」。
「必要な文字数なんてない!例え100文字でも紙を折れば本だぜ!」という主張もごもっともですが、せっかく本を出すなら少しでも見栄えをよくしたいというのが人の心。
出来れば「それっぽい」冊子を机に並べて作家みたいにふるまってみたい……そんな方のために、大体何文字くらい書けば厚みのある「それっぽい」同人誌が作れるのかをサイズごとに紹介していきたいと思います!
特に「勢いでイベントに申し込んだけど〆切2週間前なのにまだ1文字も書けてない!!だけどコピ本じゃなくてしっかり厚みのある本格的な本が作りたい!!」という方は必見です。
逆に「普通に書いても大体10万字は行くんですけど……」という方にはあまり関係のない話かもしれません。なぜなら10万字も書けば何もしなくてもそれっぽいので……。
もちろん、ここで紹介している数字はあくまで目安であって、文字組の設定や改行の多さなどでページ数はかなり変動します。
それでも出来上がりの雰囲気が想像できれば、苦しい原稿生活のモチベ維持に役立つはず!
また、印刷所に注文する際の大体の見積もりにもお役立てください。
また、使用しているテキストは実際の小説ではなくダミーテキスト(夏目漱石『坊ちゃん』冒頭)です。
なないろ堂では本文20ページから無線綴じの本を選べます。
文庫本サイズなら大体9000文字くらいで20ページに到達します。A5やB6の二段組は文字がぎっしり詰まっているのでさらに多い13000~15000文字くらいですね。
20ページの場合、背幅は大体1.36mm(表紙:上質紙135kg、本文:淡クリームキンマリ72.5kg)。
A5やB6サイズならこの時点でかなりそれっぽい。でも、文庫本を想定した場合悪くないけどちょっとまだ薄い気もします。
この倍の40ページだと背幅2.36mm。60ページだと3.36mm、80ページだと4.36mmと、大体20ページごとに1mmずつ背幅が広くなります。
300ページだと15.36mm。ここまでくればもはや書店で売ってる文庫本と遜色ない出来栄えですね。
(背幅についてはこちらの背幅計算フォームをご利用ください)
せめて背幅5mmは欲しい……!となると、最低でも90ページは必要。文庫本なら40000文字くらいです。
なかなか先は長いように見えますが、4000字の短編を10作集めた短編集なら意外と簡単にクリアできるかも……?
掲載できる過去作がないという方もあきらめないで!!
文字数が少なくてもそれっぽくできる裏ワザがあります!
また、改行や会話文を多くしてもページ数は稼げます。章ごとに扉を入れたり挿絵を入れるという手段も。
ただ、あまりにもページ数稼ぎが露骨だと読者にバレる危険性もあるのでご利用は慎重に……。
さりげなくかさ増しするなら本文に使う紙を嵩高紙(軽いのに厚みがありめくりやすい紙)にするというのもおすすめです。
なんとモンテシオン56.5kgなら20ページでも背幅2.26mmに。
もちろん、厚いだけが小説本の評価基準ではありません。
厚みは薄くても装丁にこだわれば目を引く本が作れます。
装丁を凝りたいならA5サイズがオススメ。レース加工やトムソン加工など使えるオプションが多く、デザインの幅が広がります。
また、カバーをかけたり帯を付けたりしても本格的な仕上がりに。
その他にもPP加工や角丸加工、遊び紙など、お好きなオプションを利用して自分だけの素敵な一冊を作りましょう!
表紙のデザインは苦手だけど本を出してみたいという方には、テンプレートから表紙を選べるデザインカバーオプションもありますよ!
また、前回の記事では小説向けオススメフォントを紹介しております。
中も「それっぽい」本にするために、ぜひチェックしてみてください!
>小説同人誌を初めて作る人向け!オススメフォント8選
とはいえ、結局一番重要なのは何を書くかというその中身。あなたの情熱と妄想の詰まった作品なら、たとえ薄くても厚くてもコピ本でもハードカバーでも同様に価値あるものなのです。
なので「こうでなきゃいけない」という既成概念を捨て、自由に本を作ってみてください。
なないろ堂はいつでも皆様の創作を応援しております!
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今回のテーマは「小説同人誌に必要な文字数」。
「必要な文字数なんてない!例え100文字でも紙を折れば本だぜ!」という主張もごもっともですが、せっかく本を出すなら少しでも見栄えをよくしたいというのが人の心。
出来れば「それっぽい」冊子を机に並べて作家みたいにふるまってみたい……そんな方のために、大体何文字くらい書けば厚みのある「それっぽい」同人誌が作れるのかをサイズごとに紹介していきたいと思います!
特に「勢いでイベントに申し込んだけど〆切2週間前なのにまだ1文字も書けてない!!だけどコピ本じゃなくてしっかり厚みのある本格的な本が作りたい!!」という方は必見です。
逆に「普通に書いても大体10万字は行くんですけど……」という方にはあまり関係のない話かもしれません。なぜなら10万字も書けば何もしなくてもそれっぽいので……。
もちろん、ここで紹介している数字はあくまで目安であって、文字組の設定や改行の多さなどでページ数はかなり変動します。
それでも出来上がりの雰囲気が想像できれば、苦しい原稿生活のモチベ維持に役立つはず!
また、印刷所に注文する際の大体の見積もりにもお役立てください。
サイズごとのページ数一覧
ここではなないろ堂で配布しているWordテンプレートのデフォルト設定で大体のページ数を算出しています。また、使用しているテキストは実際の小説ではなくダミーテキスト(夏目漱石『坊ちゃん』冒頭)です。
5千字 | 1万字 | 3万字 | 5万字 | 10万字 | |
---|---|---|---|---|---|
A6(文庫本サイズ) 字数:38文字 行数:16行 フォントサイズ:9pt |
11P | 22P | 65P | 108P | 215P |
A5一段組 字数:50文字 行数:16行 フォントサイズ:9.5pt |
8P | 16P | 48P | 80P | 159P |
A5二段組 字数:25文字 行数:19行 フォントサイズ:9.5pt |
7P | 13P | 39P | 65P | 129P |
B6一段組 字数:45文字 行数:16行 フォントサイズ:9.5pt |
10P | 20P | 59P | 97P | 194P |
B6二段組 字数:22文字 行数:17行 フォントサイズ:9.5pt |
8P | 16P | 46P | 76P | 152P |
何文字から「それっぽい」本になる?
書店に並んでいる小説のほとんどは無線綴じです。なのでまずは最低限無線綴じが可能なページ数を目指しましょう(もちろん中綴じの小説本も素敵ですが)。なないろ堂では本文20ページから無線綴じの本を選べます。
文庫本サイズなら大体9000文字くらいで20ページに到達します。A5やB6の二段組は文字がぎっしり詰まっているのでさらに多い13000~15000文字くらいですね。
20ページの場合、背幅は大体1.36mm(表紙:上質紙135kg、本文:淡クリームキンマリ72.5kg)。
A5やB6サイズならこの時点でかなりそれっぽい。でも、文庫本を想定した場合悪くないけどちょっとまだ薄い気もします。
この倍の40ページだと背幅2.36mm。60ページだと3.36mm、80ページだと4.36mmと、大体20ページごとに1mmずつ背幅が広くなります。
300ページだと15.36mm。ここまでくればもはや書店で売ってる文庫本と遜色ない出来栄えですね。
(背幅についてはこちらの背幅計算フォームをご利用ください)
せめて背幅5mmは欲しい……!となると、最低でも90ページは必要。文庫本なら40000文字くらいです。
なかなか先は長いように見えますが、4000字の短編を10作集めた短編集なら意外と簡単にクリアできるかも……?
掲載できる過去作がないという方もあきらめないで!!
文字数が少なくてもそれっぽくできる裏ワザがあります!
文字数が少なくても「それっぽい」本にする裏ワザ
フォントサイズを大きくし、余白を増やして1行当たりの字数と1ページ当たりの行数を少なくすればある程度ページ数を増やすことができます。また、改行や会話文を多くしてもページ数は稼げます。章ごとに扉を入れたり挿絵を入れるという手段も。
ただ、あまりにもページ数稼ぎが露骨だと読者にバレる危険性もあるのでご利用は慎重に……。
さりげなくかさ増しするなら本文に使う紙を嵩高紙(軽いのに厚みがありめくりやすい紙)にするというのもおすすめです。
なんとモンテシオン56.5kgなら20ページでも背幅2.26mmに。
もちろん、厚いだけが小説本の評価基準ではありません。
厚みは薄くても装丁にこだわれば目を引く本が作れます。
装丁を凝りたいならA5サイズがオススメ。レース加工やトムソン加工など使えるオプションが多く、デザインの幅が広がります。
また、カバーをかけたり帯を付けたりしても本格的な仕上がりに。
その他にもPP加工や角丸加工、遊び紙など、お好きなオプションを利用して自分だけの素敵な一冊を作りましょう!
表紙のデザインは苦手だけど本を出してみたいという方には、テンプレートから表紙を選べるデザインカバーオプションもありますよ!
また、前回の記事では小説向けオススメフォントを紹介しております。
中も「それっぽい」本にするために、ぜひチェックしてみてください!
>小説同人誌を初めて作る人向け!オススメフォント8選
まとめ
今回は「小説同人誌に必要な文字数」をテーマにお送りしていきました。とはいえ、結局一番重要なのは何を書くかというその中身。あなたの情熱と妄想の詰まった作品なら、たとえ薄くても厚くてもコピ本でもハードカバーでも同様に価値あるものなのです。
なので「こうでなきゃいけない」という既成概念を捨て、自由に本を作ってみてください。
なないろ堂はいつでも皆様の創作を応援しております!
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