豆知識ノート

漫画の天敵『モアレ』の攻略法!

モノクロで漫画を描くとき、一般的に広くトーンが使用されています。
トーンもアミ点から線、演出効果が印刷されているものなど様々な種類がありますね。
それらの使い方を少し間違えると、印刷時にモアレが発生してしまいます。

今回は「なぜモアレは起きるのか」をご紹介します!
これから漫画を作成される方は、是非参考にしてみてくださいね。

モアレとは?

モアレとは、元々は『規則的に並ぶ模様を重ねた際に生じる新たな模様』という意味です。
しかし、印刷や漫画の世界では『印刷時に意図していない柄ができてしまった』ことを指しています。
つまり、トーンを不適切な状態で重ねることで、印刷物が汚く見えてしまったりすることがあります。
綺麗に見せようとして貼ったトーンが原因で見栄えが悪くなってしまうのはもったいないですよね。

ではなぜモアレは起きてしまうのでしょうか?

モアレが発生するケース

トーンが黒以外のアミの場合
 白黒ではなくグレーのアミになっているとモアレが発生する可能性があります。

 ・トーン自体の濃度を落とす(トーンレイヤーの透明度を下げる)
 ・トーンにフィルターをかける
 ・白ブラシでぼかす

上記のことをした場合でも、モアレの発生に繋がるかもしれません。
というのは、モノクロ二階調にした時にグレーはアミ点で印刷されるため、アミをアミで印刷する……ということになってしまうのです。
アミがグレーだった場合
トーンでグラデーションを表現したい場合は、トーンを白で削るのではなく、最初からグラデーションになっているトーンを使う、グラデーションをトーンに変換する、といった別の方法を利用してください。

トーンにアンチエイリアスがかかっている
アンチエイリアスとは、画像が滑らかに見えるよう、輪郭に濃淡をつける技術のことです。
気持ち良く絵を描くには必須の機能ですが、トーンにこのアンチエイリアスがかかっているとモアレの原因になってしまいます。
アミ点にアンチエイリアスをかける
トーンを使用する場合、データ形式は原則モノクロ2階調である必要があるのですが、グレースケールで作成し最後に2階調に変換……とすると、トーンにかかっていたアンチエイリアス部分が飛び、アミ点の形が崩れてしまう可能性があります。
自作の素材やパターンを使用する場合は、特に気をつけて下さい。

線数が合っていない

線数とは、トーンのきめ細かさを設定しています。この数値が大きいほど、細かいトーンになります。
トーンは設定次第で数値を自由に変更できますが、トーンの扱いに慣れるまでは60.0線を使うことをオススメします。
よくある表現として、距離が近いことを表現するために線数が低いトーンを使うことがありますね。

しかし、トーンを複数枚貼りたい場合、この線数が違うもの同士だとモアレが起きる原因になります。

線数の違いで生じるモアレ
これは、アミ点の並ぶ密度が異なる為、点が重なったり離れていたりするところが出来てしまうことが理由です。
アミ点がぐちゃぐちゃと入り乱れないために、トーンの線数には気をつけてください。

グレースケールデータでベタ面の上にトーンを乗せる
アミ点の間に白以外の色が入ると、そこでアンチエイリアスが発生してしまいます。
グレーの上にトーン
この場合、モニター上では違和感がなかったけれど印刷したらモアレになった!という場合があるため、注意してください。
しかし、アミの大きさが大きいものや間隔が広いトーンはモアレが発生しにくいこともあります。
グレースケールのデータでトーンを使用する際は注意してください。

データ形式について
モノクロのデータの形式は【モノクロ二階調】と【グレースケール】の2種類があります。
これらは白黒であることは同じですが、特徴が大きくことなるので注意が必要です。
データ形式の違い
モノクロ2階調:完全な白と黒だけで描く形式。間のグレー部分が一切なく、くっきりとした映り。
グレースケール:色は無いけれども、白から黒までのグラデーションも描くことができる形式。

トーンを使用するときはモノクロ2階調、グレースケールで塗る場合はグレースケールで保存してください。


主に上記の点がモアレに繋がる原因になります。
また、最近グレースケールとトーンを同時に使用する描き方が見られます。
画面で見る分には問題ありませんが、印刷となるとこの2つは扱いが異なってくるものです。
両方を一緒に使いたい場合は、データの作り方に注意してください。

詳しいデータの作り方についてはトーンとグレースケールの違いとは?混在させても大丈夫?をご覧ください。

いかがでしたか?
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